見込み客によっては性能の出しやすいプランに

2022年12月5日 |

住宅営業を釣りに例えると、①アタリを得るフェーズ、②合わせて乗せるフェーズ、③バラさずに釣り上げるフェーズ、の3つのフェーズに大別できる。①のときから②③を意識しないと③に至らない。

そうした提案のために最も重要な情報が予算であることは前回に述べた。そして、それに次いで重要なのが性能だ。昨今は品確法で定めた耐震や断熱に関する性能等級が知られつつあり、見込み客が当たり前に要求してくる耐震等級3や断熱等等級6を達成するにはプランが足かせになる場合がある。性能に対する見込み客の指向性をある程度把握した上でプラン提案をする必要がある。

吹き抜けの有無は性能に関わる

耐震等級3を満たす場合に障壁となる可能性があるのは変形のプランだ。X方向とY方向の壁面積(壁長さ)が大きく異なると、片方の耐力壁の量が不足することになりやすい。

もう1つは窓の大きなプランだ。一般的な1間半(2730㎜)の掃き出し窓がリビングに入る程度であればそれほど大きな影響はないが、1間半の掃き出し窓を並べたり、コーナーで取り合わせたりすると耐震上の影響が出てくる。

もう1つは吹き抜けだ。4畳半程度までならそれほど影響はないと思われるが、6畳を超える大きさになると耐震等級3を取得する際に影響が出てくる。

プランで断熱性能は大きく変わる

断熱性能にも建物のかたちは影響を与える。断熱性能は主にUA値で示される。UA値は各部位の断熱性能の平均の値なので、部位の面積比率が数値に影響ある。

最も分かりやすいのが窓の面積が多いケース。窓は各部位のなかで最も断熱性能が低いので、窓面積の比率が高くなる(窓が大きくなる)とUA値は下がっていく。次に低いのが床断熱。ただし、床断熱の面積は家の床面積とイコールなので、家のかたちには影響されない。ただし、基礎断熱の場合は家のかたちで外周部の面積が変わる。L字型やコの字型のプランの建物の場合、UA値は下がる傾向になる。

床と基礎の次に低いのが壁、次いで屋根となる。つまり屋根が最も断熱性能が高いので、屋根の断熱面積の比率を高めるとUA値は高くなることになる。

建物のかたちにより部位の面積が変わりやすいのが外壁だ。そして最も面積が大きい部位が外壁となる。外壁の面積を最小化させるには平面を縦横比の小さな四角形にまとめ、総2階のプランにまとめることだ。外壁の面積が小さいということは使用材料が減り、施工面積も減る。コストダウンにもつながる。

屋根と外壁の比率を変えるもう1つの手法が平屋にすることだ。同じ床面積でも2階建てに比べると屋根の面積の比率が増えるため、性能値は高くなる。ただし、平屋は2階建てに比べると基礎が2倍になるなど施工面積は増えるのでコストは高くなる。

こうした性能への影響を意識しながらプラン提案をすることが、クロージングを踏まえると非常に重要だ。

四角い総2階のプランは性能を高めやすく、コストも抑えやすい。

基本のかたちとして押さえたい。

平屋は荷重が軽く、壁も多いので耐震性能を高めやすい。四角い平面なら断熱性能も高めやすい。ただしコストは割高になる。

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