廊下を省いたプランとすべき理由

2023年2月22日 |

玄関の位置による動線の制約

前項で述べたように、昨今の見込み客との打ち合わせの際には、洗濯室と玄関、洗濯室とキッチンの動線が同時に求められるケースが非常に多い。ただし、実際には2方向動線を確保することは簡単ではない場合が少なくない。

キッチンと洗濯室を近づけることはそれほど難しくはないが、玄関と洗濯室は効率よく結べない場合もある。それは玄関の位置が敷地と道路の関係で決まってくるためだ。

2方向動線が難しいケース

一般的には接道面の近くにカーポートが設けられ、その近くに玄関が配置される。車庫入れと車庫から家に入る動線を重視すると、玄関の位置は誰が設計してもそれほど大差ないところにくる。

加えて間口の狭い敷地などの場合、奥行きが長い細長い建物になる。間取りを見ても、各スペースが奥行き方向につながっていくかたちになる。こうした建物形状の場合、2方向動線を確保するのが難しくなる。

同様に平屋も廊下が長くなりやすい。1階に全室が集まるため同線が複雑かつ長くなるためだ。特に上述した狭小敷地の場合のように縦横比が大きくなる(細長くなる)とその傾向が強くなる。平屋はファサードの見せ方として縦横比を大きめにするケースが比較的多いので、この場合も2方向動線の確保に工夫が必要になる。

平屋のプラン例。

部屋数が多くなるので廊下でつなぐ動線が主体になりやすい

玄関とリビング、洗濯室が離れて配置された平屋の例。

とにかく長い廊下は嫌われる

上記のような玄関配置や建物形状による制約のなかで洗濯室と玄関、洗濯室とキッチンの動線を両立させるには、長い廊下を設けるしかない。

ただし洗濯室と玄関など、部屋と部屋をつなぐためだけのための直通廊下は嫌われやすい。それもSNSの影響だ。「長い廊下=無駄なスペース」と言う考え方がInstagramなどで大量に流布しているためだ。

あくまで感覚に基づく目安だが、見込み客が廊下として許容してくれる広さは1.5畳までだと思われる。それを超えて廊下が2畳になると無駄なスペースだと判断され、改善を求められるか、見限られる可能性もある。それほどInstagram世代は廊下を目の敵にしている。

玄関ホール兼廊下を広く取った例。

玄関ホールや廊下はデッドスペースととらえられやすい。LDKの建具を開くと玄関ホール兼廊下がその一部として使えるように計画するなどの工夫が必要。

この場合階段下に収納などを設けるとそうしたイメージを伝えやすい。

例外的に2つの場所に接する廊下はOK

なお、例外的に長い廊下が許容される場合がある。それは手洗いやトイレなど2つ以上の場所に1本の廊下が接する場合である。玄関から洗面室まで距離がある場合、洗面室とは別に小さな手洗いを玄関に近くに設けることが要望されることがある。

この「ただいま手洗い」もSNSの影響であるが、「長い廊下対策」としても活用できる手法である。

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